端渓に関するご報告

端渓硯の在庫に多くの欠品が発生しご迷惑をおかけしています。
事の顛末をご報告申し上げます。
実は老坑に関しては1997年以来、原石の採掘はされていませんでしたが
現在は麻子坑、宋坑、その替わりとなっていたサホの石材も採掘されていません。
つまりは端渓の原材料はまったく採掘されなくなっているのです。
少なくとも複数の中国人業者からその様に聞いています。
地元政府の意向で「端渓石は国の宝である。有限な資源であるから保護する」
と言うことらしいのです。

こうなると当然、工場は在庫の石材を簡単には売りません。
値段も高騰していますし、注文しても返事さえ来ない状態です。
彼らに言わせると「日本人の好む角の硯を生産する石材でもっと大きな自然型の硯を生産できる。その自然型の硯を中国国内で売れば輸出する10倍の利益になる。限られた在庫の石材で日本向けの角形硯を作るのは石材の浪費でしかない」

恐らく中国政府もこのまま採掘禁止を半永久的に続けるつもりはないだろうと思われます。石材と同時に製造技術も国家の宝だからです。流通在庫が無くなり、再び登場する端渓は1面が最低でも数万円する元々の状態に戻るのだと思います。身近にいらっしゃる書の心得のあるお年寄りに尋ねてみてください。
40年前に端渓がどの位の価格だったかを。勿論それらは古端渓だったろうと思われますが、中国人にとっては古端渓と新端渓にそれ程の価値観の差は無い様です。誰でもが端渓を実用として使える時代はもしかしたら終わりを告げているのかもしれません。